2008年6月アーカイブ

すい臓がんの死亡率の高さは、かなり病気が進行するまで症状がなく早期発見が難しいことに加えて、すい臓という位置の複雑さゆえに治療が難しいということがありました。手術中の死亡率も高く、予後もよくなかったのです。しかし、現在は手術の指針が定まり、安全な手術が行われつつあります。

すい臓がんが疑われる場合、1.血液検査、2.画像検査、3.病理学的検査がおこなわれます。

病理学的検査では、すい生検といって、すい臓に針を刺して組織を採取する検査を行います。採取した組織に癌があるかどうか調べるのです。ただし、この検査は、まず血液検査(腫瘍マーカー)と画像検査を行い、それでも診断が困難な場合に行われる検査です。血液検査や画像検査と比較して、患者さんの負担が格段に大きいからです。

早期発見がこれほど叫ばれるなかでどうして、すい臓がんの早期発見はこれほど困難なのでしょう? その理由のひとつに、すい臓がんにはこれといった症状がないことがあげられます。個人差がありますが、半数ほどの人に腹痛が起こることもありますが、残りの半数には症状はありません。その後、黄疸が現れ、食欲不振、背中の腰痛、全身倦怠、嘔吐などが生じることもありますが、これらはすい臓がん特有の症状とはいいがたいでしょう。

早期発見が叫ばれる癌ですが、ここでいう早期とは、この時期ならば治る可能性がある時期、という意味です。そのためそれぞれの癌によって、早期発見のめやすは違いがあります。また、癌の種類によって早期発見の容易さにもかなりの違いがあります。
癌は全部で50ほどあります。そのうち現在、8割ほどの癌は、診断技術も進み、早期診断すればたいてい発見できるようになりました。皮膚がん、乳がん、子宮がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、および膀胱がんなどがこれらの癌に属します。これらは比較的からだの表面に近い部位にできる癌で、患者自身に体調の変化を感じる症状が早期に出る癌です。そのため早めに精密検査を受けることになるため、発見も早期となる可能性が高いのです。