1905年、ドイツの病理学者アルツハイマーが進行性の記憶障害をともなった痴呆患者を報告しました。
このことが、アルツハイマー病の由来です。
アルツハイマーは45~65歳に発病する大脳の萎縮性疾患で、痴呆に伴う失語、失行、失認がみられます。
高齢になるほど、発症率は高くなります。
しかし、現在は18歳~64歳の若年層でアルツハイマーにかかる人もおり、年齢を問わずかかる病気と言えます。
アルツハイマーの初期症状は、頑固、自己中心的、人柄に繊細さがなくなるなどの軽度の人格変化、不安・抑うつ、睡眠障害、幻視妄想などです。
ごく初期の症状は本人も家族も気づかないほどの頭痛やちょっとしためまいのような、日常的によくある症状です。
2008年8月アーカイブ
アルツハイマーの症状には下記のような段階があると言われています。
・軽度認知障害(アルツハイマーの前触れ)
知的能力の低下の2~3年前から、軽度の人格変化(頑固になる、自己中心的など)、不安・抑うつ、睡眠障害、幻視妄想などが起こります。
軽い物忘れがありますが、金銭の計算や車の運転など日常生活に支障がないため気づきにくいのです。
・アルツハイマー第一期
健忘期とも言われます。
健忘症状、空間的見当識障害(道に迷う)、多動・徘徊などが認められます。
大脳皮質の全般の機能が衰え始める時期で、単なる物忘れの度を越え始める時期でもあります。
・アルツハイマー第二期
混乱期とも呼ばれます。
大脳皮質の萎縮が進行して初期の症状が一層深刻化し、会話が困難になります。
高度の知的障害、失語、失行(方法はわかるのにできない、服の着方は知っているのに着ることができないなど)、失認(目では見えているのに、見えていると認識できない)が現れます。
錐体外路症状(スムーズな体の動きが取れない)はパーキンソン病と間違われることもあります。
・アルツハイマー第三期
臥床(がしょう)期とも言われています。
高度な痴呆の末期で、寝たきりとなり、しばしば失禁、拒食・過食、反復運動、けいれんなどが起こり、ことばも失われます。
身の回りのことができなくなるので生活全般において介護が必要となります。
アルツハイマーの原因にはいくつかの説があります。
β(ベータ)アミロイドというタンパク質が脳内の組織に蓄積し、脳の神経細胞が死滅。
脳(特に大脳皮質)が極端に萎縮し、痴呆発症へ至るという説が有力です。
βアミロイドは正常な人においても合成、分泌されていますが、酵素によって分解され蓄積しません。
しかし、加齢に伴い分解が追いつかず蓄積されることがアルツハイマーの発症につながると考えられています。
大脳皮質などにできる染みのような老人斑という繊維状の物質の増加がアルツハイマーの原因とする説があります。
しかし、老人斑はアルツハイマーでない人にも多く見つかり、短期の記憶に関わる海馬ではあまり見られません。
そのため、この説は現在疑問視されています。
映画「明日の記憶」や「私の頭の中の消しゴム」でも知られる若年性アルツハイマー。
若年性アルツハイマーは64歳以下の人に起こるアルツハイマーで、40代から50代の中高年で多く症状が起こります。
若年性アルツハイマーの原因は一般に高齢者に起こるアルツハイマーと同じで、β(ベータ)アミロイドの蓄積による脳の萎縮から起こると言われています。
ただし、若年性アルツハイマーは遺伝によるものが多いので、家族にアルツハイマーのいる人は注意が必要です。